『お母さん、会社に学力はいりません。』

じゃあ勉強せんでいいやん!ヤッフー!

いやそういうことじゃないから!!
大人からも子どもからもバキバキに語弊を招きそうですので早速本題に入っていきます。
学力を求める企業はたった4.4%
『お母さん、会社に学力はいりません。』というと「学力なんて不要いらない!」と言っているように見えますがそういうわけではありません。
「最も大事な能力は学力じゃないよ!!」と言いたいのです。
もちろん学力も大事です。直接学力を使う仕事もありますし、将来が不透明な子どもにとって大学受験に合格するための学力を身に着けさせることもたしかに重要です。
でも本当に大事なのは「学力」じゃないですよね。
社会に出てから求められる能力を考えればわかりやすいです。
以下は経団連が実施した「2018年度 新卒採用に関するアンケート調査」の結果です。
出典:日本経済団体連合会(経団連)
学力に直接関係のある項目は「専門性」「語学力」「履修履歴・学業成績」あたりです。
「コミュニケーション能力」「主体性」は60%以上の企業が求めています。
それに比べて「学力」は10%程度しか求められていません。
語学を除いて「履修履歴・学業成績」だけ見るとたった4.4%です。
どれだけ必死に学力を伸ばして良い成績を収めたところで、社会はそれを求めていません。
「履修履歴・学業成績」を求める4.4%の企業も実際はその学力自体を求めているのではなく「その成績を収める社会的に有能そうな人物」を求めている可能性も高いです。
つまり「成績が良い=努力できる人物 or 暗記力や頭の回転が速く有能な人物である可能性が高い」という点を認めて選考基準のひとつとしているということです。
もちろんこのアンケートがすべてではありません。
ただし経団連は1,600以上の日本を代表する企業や団体で構成されており、経団連の決定で日本社会が変わるほど一定の信頼はあります。
つまり「日本を形成する企業達が求める能力≒社会が求める能力」なのでこのアンケートは信用できるものである。ということです。
そして説明しなくても直感的にわかっている方も多いはず。
『学力以外に必要な能力は子どものうちから育てることができる。』と。
先ほどのアンケートは新卒者(学生)に求める能力ですから当然ですよね。
社会人になってからしか身に着けれない能力は新卒者には求めませんから。

たとえば中途採用ではスキルや実績が最も求められます
「コミュニケーション能力」「主体性」「チャレンジ精神」など求められる多くの能力は、むしろ大人になってから身に着けようとしても難しいですよね。
だからこそ新卒採用の時点でそれらの能力が高い人を求めるわけです。
簡単に身に着けられるなら採用してからサッと育てればいい話なので。
というわけで「ほんとうに必要な能力は学力ではないよ!!」という意味での『お母さん、会社に学力はいりません。』です。
- 社会が求める能力は学力以外の能力である。
- 学力以外の能力は子どものうちから育てることができる。
教育を原点回帰する


育て方0.0も説明してよ

そうだった!
【育て方0.0】というのは先ほどの話をキャッチフレーズに模した言葉です。
最近「お金2.0」や「日本3.0」など「新しい考え方」という意味で「2.0」や「3.0」が使われていますよね。
僕の「0.0」は「原点に戻る」という意味です。
つまり子育ての原点である『ほんとうの”自立”』を真っ直ぐ育てるということです。
『ほんとうの”自立”』のために最も必要な能力が「主体性」です。
『ほんとうの”自立”』について詳しくは別の記事でご説明します。
子どもを育てる親は「学力」だけにとらわれていないはずです。
「学力以外の能力」の大切さをわかっています。
たとえば子どもに様々な”願い”を持っていますよね。
- 「人の気持ちが分かる大人になってほしい」
- 「一人で生きていけるようになってほしい」
- 「元気で幸せに生きていってほしい」
- 「素敵な人と出会ってほしい」
- 「夢を叶えてほしい」
わが子への思いは言い出すときりがないです。
これらの願いを実現させるために必要な能力もやはり「学力」ではなく「コミュニケーション能力」や「主体性」が求められます。
子どものためを思って色んな経験をさせたり、習い事をさせたり努力をします。
でも小学校に入る頃から「○○しなさい」と言うようになり、「学力」にばかり目が向くようになります。
それも他ならない「子どものため」です。
学力は数字で表れるため目を逸らすことができません。
その結果『「学力以外の能力」は日々の積み重ねだから、とにかくまずは「学力」について指導しよう』と考えます。
大抵の場合”まずは”と思っていた「学力」の指導は子どもが実家を離れるまで続くことになります。
「学力以外の能力」を育てることも忘れているわけではありませんが、時間をかけて教育することは次第になくなっていきます。
困ったことに「学力以外の能力」は教えなくても日々の生活の中で育っていきます。
また「学力以外の能力」については教育を受けることがありません。
少なくとも義務教育の間に授業として習うことはありません。
習ったことがないので教育の仕方もよくわからないのです。
結局「学力以外の能力」の成長は学校や子ども任せになってしまいます。
学校も「学力以外の能力」が重要であることは重々承知しています。
集団生活の中で間接的に「学力以外の能力」を育ててくれますが、生徒が多いなか間接的にひとりひとりの能力を開発するには限界があります。
でも社会は「学力以外の能力」を希求します。
結果的に上手く能力開発できた子から順に希望を叶えていきます。
たまたま友達が少なかったり、たまたまゲームに興味があったために外出が少なかったりしただけで、もしかすると気づいた時には能力不足になっているかもしれません。
「学力以外の能力」はもはやギャンブルみたいな育て方ですが、これまでずっとそれでよしとされてきました。
「学力以外の能力」に強くスポットを当てて育てる場があればどうだろう?
「コミュニケーション能力」とは何か。「主体性」とは何か。
それがなぜ求められるのか。どうやったら身に着けられるのか。
直接教えて、実践する場があればきっと子どもは著しく成長するはずだ!
そう確信しています。
子どものために、ひとりの人のために、最も必要な教育を考えたとき答えは必ず『ほんとうの”自立”』に行き着きます。
教育の原点こそが『ほんとうの”自立”』であり、そのために必要な力が「学力以外の能力」です。
教育の目的は決して「学力」にはなりません。
教育の原点にして誰もが子ども任せにしていた「学力以外の能力」を育てるためのキーワードが『育て方0.0』です。
何も新しいことは言っていません。ただ原点に戻っただけなのです。
- 誰もが「学力以外の能力」の大切さを理解している。
- 『育て方0.0』は「学力以外の能力」を育てるためのキーワード。
まとめ
子どもにとって大切なのは「学力以外の能力」であることを説明しました。
そしてそれを大人は重々承知しているにもかかわらず、ほとんど子ども任せにしてしまっていることを指摘しました。
社会で求められる能力は大人になってから身に着けるのは時間がかかります。
僕の場合は「コミュニケーション能力」でした。
社会人としての礼節や仕事上のやり取りなどは自分で言うのもなんですが全く問題ありません。
同じ部署の同僚とも楽しくやれていました。
苦手だったのは「面識の少ない目上の人との飲み会」です。
とりとめのない話や真面目な話はできても、楽しむことができなかったのは僕の「コミュニケーション能力」不足だったと思います。
今も「コミュニケーション能力」を伸ばそうと勉強しています。
子どもの頃から「学力以外の能力」を伸ばすことができていれば、もっと変わっていたのかなと思うんです。
『育て方0.0』で子どもに必要な、いや、ひとりの人として必要な「学力以外の能力」を育てて「ほんとうの”自立”」を果たすことでたくさんの子どもの未来を拓いていくのが僕の育て方の指針です!
- 社会が求める能力は学力以外の能力である。
- 学力以外の能力は子どものうちから育てることができる。
- 誰もが「学力以外の能力」の大切さを理解している。
- 『育て方0.0』は「学力以外の能力」を育てるためのキーワード。
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